大動脈弁形成術とは

大動脈弁形成術とは

弁膜症手術は大きく分けて、患者さんの弁を温存する手術(形成術)と、弁を取り換える手術(置換術)に分けられます。

我々は、自己心膜を使用して大動脈弁を作成する方法は、ステントレス弁による弁置換と同じと考えており、弁形成術とは捉えておりません。

大動脈弁疾患は大きく分けて''大動脈弁狭窄症''と''大動脈閉鎖不全症(逆流症)''に分けられます。
大動脈弁自体が硬化する''大動脈弁狭窄症''では、自己弁を温存することは困難でありますが、''大動脈弁閉鎖不全症''であれば自己弁を温存(形成)できる可能性があると我々は考えております。

弁形成手術弁置換手術と比較し、抗凝固薬の内服が不要であること、感染性心内膜炎のリスクが低いことがメリットとして挙げられます。特に若年の方ではメリットが大きいと考えられます。しかし、弁形成手術弁置換手術よりも難易度が高く、成功率、耐久性が担保されることが重要となります。

僧房弁においては、2011 年の日本胸部外科学会の統計によると、僧房弁手術のうち僧帽弁形成術は 65%に施行されております。

一方、単独大動脈弁手術 では、8589 例のうち大動脈弁形成術は 3.6%に過ぎず、非解離性の単独大動脈基部手術 797 例においても、自己弁温存手術は17%に過ぎませんでした。

これらのうち、大動脈弁逆流症と狭窄症の割合は不明ですが、それにしてもあまりにも少ない数字と言わざるを得ません。

大動脈弁形成術は決して新しい術式ではありませんが、難易度が高く、その手術成績、長期成績が不安定であったことから、現在日本では広く行われるには至っておりません。

部長の國原は、計 9 年間世界でも屈指の大動脈弁形成の成績、症例数を誇るドイツの施設で大動脈弁形成術を数多く経験して参りました。
当院では大動脈弁閉鎖不全症に対しては、可能な限り自己弁を温存することを基本方針として診療を行っております。
Page top